ウルトラマスカ

もくじ

第一話『トンデモ作戦第一号』 第二話『闖入者を撲て』(前編) 第二話『闖入者を撲て』(後編) 第三話『謎の探偵事務所』 第四話『大火災五秒前』 第五話『邪神はふたたび』(前編) 第五話『邪神はふたたび』(後編)

第五話『邪神はふたたび』(後編)

四方津神社の社務所。 「あぁ…、そうじゃ、……なぁに、五百部くらいすぐにさばけるテ。……」 受話器を手に話し込む神主タウエ老人。 「……、おお、それじゃ、大急ぎで頼んだよ」 電話の相手は、町内の印刷所だ。四方津神社に伝わる古文書「前代過事本紀」は、戦…

第五話『邪神はふたたび』(前編)

謎の巨人、火を噴く怪獣、灰色の不審者、石像と入れ替わりに跡を絶った三人の学者、火災現場から失踪した二人の警察官…。 このところ弓ヶ丘とその周辺で起きている事件が、マスコミの興味を引きはじめた。 週刊誌には『古蒼な神社の町に「宇宙人と怪獣」神主…

第四話『大火災五秒前』

大伽牟津見神社の近傍で、縄文時代中期の遺跡が発見され、日々発掘作業が行われている。主な遺物は、火焔型土器である。 火焔型土器は、深鉢型土器の一種で、その形状、模様が、火焔を思わせる、縄文式土器の中でも独特な様式を持つ。1936年に新潟県の馬高遺…

第三話『謎の探偵事務所』

「いいじゃないか。なぜいつもそうしないんだ」 と言ったのは、ハルカの父のナガハラ・ゼンジである。それに対してハルカは、むっとして黙っているだけだ。 ──これでも似合わないつもりなんだ。 とは、なかなか言えない。そこから先のやりとりを想像すると、…

第二話『闖入者を撲て』(後編)

ここは四方津神社の境内である。神主のタウエ老人と、山歩き姿の青年三人が話し合いをしていた。 「つまりですねぇ、学術調査のためにここのご神域の森に入りたいのですけど…」 「それはならんといっとろうが…。いいかな、この神社は、崇神天皇の御代に創祀…

第二話『闖入者を撲て』(前編)

──うーん…。高校生ナガハラ・ハルカは、小山からチョッとつきだした、八畳敷きほどもある一枚岩の上に仰向けになって、暮れかけた空をぼんやりと眺めていた。…そろそろうちに帰らないとな…。場所は、自宅からほど近い、「四方津神社」の森である。神域とされ…

第一話『トンデモ作戦第一号』

アンドロ比良坂の岩戸を押し開けてこの世によみがえった邪神「デビューボ」を追って、宇宙大社の神官「マスカ」は地球へやってきた。 デビューボの怒りを鎮め、窟の奥へ送り返すために…。 「祟るぞぼけー」 「シャッ!」がんばれ、マスカ! まけるな、マスカ…